明日、会社に行くのが辛い人にぜひ読んで欲しい『労働文集 考働』。

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9/14(日)に『労働文集 考働こうどう』を発売してから約10日が過ぎた。厳密には9日。

労働文集 考働とは?

その名のとおり「働くについて考える」をテーマにした労働ドキュメンタリー文集。今の社会で普通とされている「働く」に違和感を持った6名の執筆者が、自身の実体験を通じて「労働」をどう考え、どう向き合い、どう行動してきたを綴っている。

文学フリマ大阪13にて販売開始し、9/20(土)にはすずひらブックス(オンラインストア)でも購入可能となった。また、主催者である作家のすずひらさんの手により、以下の書店でも取り扱いを開始していただいた。

考働が買える書店

南十字(神奈川県小田原市)
西日暮里ブックアパートメント(東京都荒川区西日暮里)
まとも書房(大阪府枚方市)

おかげさまで好評で、多くの方に手に取っていただけているようだ。直接お会いした方や、SNSなどを通じてチラホラと感想をいただく機会が増えてきて嬉しい限りである。読んでくださったみなさま、本当にありがとうございます。

様々な人達の体験を通しての「考働」が書かれている。
重要なのは「考働」するのは読者だということだ。
ここには体験しか書かれていない。
こういう本を待っていた。

「考働」の感想/まちぇっとさんのnoteより

どの執筆者も胃がキリキリするような壮絶な体験談をブラック寄りのユーモアで包み込んだボディブローのような文章を書いている。辛すぎて読むのに時間がかかった。こんな地獄が普通であってたまるか。このクソみたいな社会を変革したくなってくる。労働廃絶万歳!

考働と普通という名の地獄について/カイシャク堂さんのnoteより

僕自身、働くことについて折り合いをつけられず迷走しているので、ほかの人(著者達)が、働くことについて、どういう経験の下、どう考えているのか気になっていた。

2025/9/22 読書三昧/おかださんのnoteより

一言で言うと「明日、会社に行きたくない人にぜひ読んで欲しい」なんだけども、労働に対する違和感とか辛さを感じている人の心に優しく寄り添ったり、働いているのが普通とされている世の中に一石を投じるものになればいいなと思っている。

「こんな気持ちになっているのは自分だけじゃない」と気づいてもらったり、現状を変えていくモチベーションにって欲しい。そうなってもらえたら本当に嬉しい。

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『考働』の中身

そもそもの話にはなるけど、『考働』の執筆メンバーは漏れなく「労働に対する違和感や生きづらさ」を抱えている人たちだ。すずひらさんが中心となり、noteやSNSでそういった発信をされている人に声をかけて集まったメンバーである。

この本には、そんな僕らのリアルな体験談が書かれている。労働の現場で経験した理不尽な出来事、上司や取引先から放たれた白目を剥くような言葉。あらゆる暴挙で溢れかえる労働の世界をサバイブしてきたメンバーによる、生々しい独白の書となっている。

伝えたかったこと

僕が書いたのは、新卒で入社した小さなデザイン事務所での経験を記した労働エッセイだ。それがどうやら割とハードなものだったらしく、数名の読者から「ブラックすぎる」とか「読んでいて吐きそうになった」というご感想をいただいた。

書いた内容は紛れもない事実なのだが、人によっては「キツかった自慢」や「ブラック労働に対する愚痴」のようにも捉えられるかもしれない。また、純粋な気持ちで仕事に向き合い、楽しく働いている人の中には、僕の書いていることを害悪だと捉える人もいるだろう。「なにをけしからんことを言っているのだ、いいから誠実に働けよ」と。

まぁ、そもそもそういう人はこの本にもこの記事にも辿り着かないと思うけど、念のためフォローしてくと、僕が言いたかったのは「労働により、純粋な善意や人の心が踏み躙られる違和感」だ。人はこうして支配され、人生が色褪せていくのだなと感じざるを得なかったのである。

実を言うと、僕も当初は「ポジティブに働こうぜ界隈」の人間だった。労働に夢や希望を抱き、社会や人の役に立ちたいという純粋な善意を拠り所にして生きていた。そして、前述の通りハードな環境にも耐えながらがむしゃらに努力をしてきた自負もある(このあたりの具体的な話を『考働』に書いた)。

しかし、その善意や努力は見事に踏み躙られ、ともすれば辱められ、無垢だった心に深い傷を負った。その結果、僕は精神を病んで立ち直れなくなった。こちらからすれば、「お前など必要ない」と不誠実な態度で爪弾きにしてきたのは社会の方なのだ。

18年続けた上で辿り着いた答え

『考働』に書いたのは、僕の会社員経験のごく一部だ。1社目を辞めた後も転職を重ね、計3社で18年間ほど会社員として労働と向き合ってきた。これだけやってきた上での結論として、残念ながら違和感を拭い去ることができなかったのである。

これまた念の為に言っておくと、僕は労働者としては優秀な方だったと思う。仕事には一生懸命取り組むし、自分でもウンザリするくらい生真面目だし、賃上げの要求も権利の主張もしない。さらに、それなりに成果も上げていた。あまりにも都合の良い従業員だったと思う(笑)

率直に言うと、そんな生き方が虚しくなってしまった。一度きりの人生、これでいいのかという疑念が肥大化して心を埋め尽くした。

労働はどこまで行っても他人事でしかなくて、褒められてもお金をもらっても空虚でしかなかった。一時的には「経済成長こそ正義」という洗脳にかかり、それをエサにした成長や自己研鑽に打ち込んだ時期もあったが、結局それらが誰かの利益のために練り上げられた虚構に過ぎないと勘づいてしまったのだ。

結果、労働により搾取されている感覚しか持てなくなるわけだが、それを払拭してくれるような経営者や上司に出会うことはできなかった。だからもう、労働からは足を洗おうと決めて会社員自体を辞めたのだ。これだけの時間と労力をかけて判断したのだから、さすがに後悔はしていない。

考働の果てに

その考働・・の結果として、今回の出版に辿り着いた。本当に心から楽しみながらチームのみんなと一緒に制作に携わらせてもらった。自分史上、ここまで魂を震わせてモノづくりに向き合えた経験は初めてである。あぁ、僕はいま生きているな。そう感じた。

その甲斐もあって、読者の心に何かしらの変化を起こすエネルギーを持った本が作れたという手応えがある。エネルギーとは、変化の度合いを数値化したものだ。『考働』は、時速100kmのスピードで多くの人の心にぶっ刺さっている。現時点での色々な方の反応を見て、そのように感じている。

ぜひ手に取ってみてください

すこし話が逸れてしまったけど、とにもかくにも「働くことが辛い人」や「明日、会社に行きたくない」と感じる人に手に取って欲しい文集だ。

人が生来持っている美しさを、労働によって踏み躙るべきではないと僕は思う。『労働文集 考働』は、貢献によりキラキラと輝く人の姿により、世界がもっと美しいものであって欲しいという願いだ。あるいは、労働がもっと思いやりに溢れた純粋なギブアンドテイクの場になって欲しいという祈りでもある。

『労働文集 考働』は、オンラインストア すずひらブックスにてお求めいただけます!

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